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あらま、、

絵本原作コンテストに落ちたのです( ;∀;)
お暇な方どぞ。。
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哀しき小象    

ここは街はずれの小さな村。
この村人には、毎年、楽しみにしていることがありました。
春になると、この村にサーカスがやってくるのです。
いつもは静かなこの村に、たくさんの人がサーカスを見に来るので、
とてもとても賑やかな一週間になるのです。

サーカスの名前は「パオパオサーカス」。20人の団員と小象。
団長さんが、小象が夜になると、パオーンパオーンと泣くので。パオパオと名付けたそうです。
このサーカスは、大きな街から小さな村まで、一年に何十カ所も移動して回ります。
大きなテントを作っては、またかたずけて、列車のような車に乗せて、次の場所へ移動するのは、とても大変な仕事ですが、
待ってるお客さんの笑顔を思うと、サーカスの団員は、毎日頑張ることができるのです。

さて、今日は暖かい春の日ざし。桜も満開。
この小さな村に、待ちわびたサーカスがやってきました。
色とりどりの旗に飾られたテント、呼び込みの声、ラッパやクラリネット、太鼓の音楽もにぎやか。
会場のテントの中は、楽しみにしていたこどもや大人たちで満員。中は暑いくらいです。
一瞬ライトが消えて暗くなったと思ったら、小太鼓の音が鳴り響いて、いよいよサーカスの始まりです。
最初にピエロの登場です。歌ったり、笛を弾いたり、おどけた動きでお客さんを笑わせます。
玉乗り小象、火を噴く人、手品、一輪車、空中ブランコなど、出し物が次々に続きます。
お客さんは、楽しくて楽しくて、拍手する手が痛いくらいです。

このサーカスで一番の人気は、芸達者な小象でした。どこに行っても、初めて本物の象を見る人が多かったのです。
小象が玉にのり、後ろ二本足で立ちあがり、前に進みながら、時々雄たけびを上げる芸にお客さんは拍手喝采でした。
人間だってきっと難しいはずの玉乗りを、この小象ができるなんて、何度見てもお客さんにはおどろきでした。

最後の、はらはらどきどきする空中ブランコが無事に終わり、今日の楽しいサーカスは終わりました。
次の日も次の日も、たくさんのお客さんが来て、ようやく一週間が過ぎました。

次の町へサーカスが移動する日の早朝、ピエロ役の若者は、海の見える丘へ散歩しに行きました。
そして、丘の上に置いてあるベンチに座って、考え事を始めました。
いくら考えてもわからないので、思い切って、近くを飛んでいたカモメに話しかけてみました。

カモメは飛びながら「どうしたのですか?」と尋ねました。
若者は、話しました。
「うちのサーカスには、大人気の小さな象がいるのです。芸をすると、お客さんは喜んでくれるので、
象は、それが嬉しいと言うのですが、時々涙を流しながら芸をしているのです。
そこで夜になって、小象に どうして泣いているのですか? と聞いてみたら、
小象は、こんな話をしてくれました。

小象は、もっと小さかったころに、突然、仲間たちから引き離され、捕まり、
海を渡って、遠くへ遠くへと連れられてきたそうです。

連れられてくる前は、地面は砂埃ばかりの土地、太陽がとても暑くて、水と食べ物をを探して歩くのが大変で、
毎日とてもつらかったそうです。でも、いつも、お母さん、お父さん、友達もいて、どこへでも歩いて行けたと。

いまは・・サーカスにいて芸をすれば、毎日、食べ物も水も運んできてくれる。
身体を洗ってくれるし、安心して眠れる。
毎日お客さんに喜んでもらえる。でも・・独りなの・・自由かというと・・夜は檻の中。」と小さな声でつぶやいたのです。

いったいこの小象はどちらが幸せなのでしょうか?
わたしには何度考えてもわからないのです。自由に空を飛べるあなたは、どう思いますか?」

カモメはしばらく考えていたのですが
「わたしには、わかりません・・」 と答えて飛んでいってしまいました。

しばらくして、カモメは、近くを泳いでいたクジラに聞いてみたのですが
「う~ん、わからない・・」 と言われてしまいました。

若者は、長い間、海を見ながら考えて   これは小象が決めることだ  と思いました。

小象が、どうしても元の土地に帰りたい と言ったら、いつか、逃げるのを手助けしてあげよう。
でも、もし、ここにいよう と小象が決心したのなら、ずっと友達でいてあげる、と思いました。

すぐに、丘をおりて、小象の檻に行きました。
そして、考えたことを話しました。
小象は、小さな声で、「ありがとう ありがとう」 と言って恥ずかしそうにコクリとうなずきました。
「答えはゆっくりでいいから」 とピエロ役の若者は言いました。

次に移動した町でも小象の芸は大人気でした。
象はお客さんを喜ばす事が出来てとても嬉しかったのですが、
なぜか、また涙が出てきてしまうのでした。

おわり。

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